[開発]タブが表示されておらず、
マクロの作成や実行が行えません。
そこで、[開発]タブを表示させ、
マクロの作成と実行が行えるようにしよう。
しかし、デフォルトではマクロの実行などに
必要な[開発]タブが非表示となっており使うことができない。
「Microsoft
Excel(エクセル)」では、マクロを使うことで、
機能を拡張したり、自動処理が行えたり、新たにワークシートで使える
関数などを作ることができるようになったり。
[開発]タブが「オフ(非表示)」になっている。
これは、指示を受けて意味も分からず
マクロを動かしてしまうような操作を避けるためです。
[開発]タブの表示状態は、マクロ起動の可否を決めているのではなく、
単にマクロ関連機能にユーザーが
アクセスできるかどうかを決めているにすぎません。
マクロはかつてOfficeの文書ファイルとともにメールで送られ、
「悪意のあるプログラム」を実行させる手段としても使われ。
しかし、現在では、マクロの入った文書ファイルは別の拡張子を使い、
読み込む前に警告が表示されるなど対策が取られています。
マクロが何であるかを理解して利用するなら、
自分でマクロを使うこと自体がExcelのセキュリティを低下させ、
「悪意のあるプログラム」を動かしてしまうことにはならない。
日常的にExcelを使うなら、マクロを利用できるようにして、
新しい世界の扉を開くのも悪くないです。
マクロの利用に必要になる[開発]タブを表示させ、
マクロの入力/実行/保存を簡単に紹介します。
各自で学習して下さい。
マクロの扉を開ける
まずはExcelのマクロ開発に必要な[開発]タブを表示させ。
開発タブには、マクロの入力や編集、
実行に必要な全ての機能が入っています。
Excelで新規のブックを開き、Excelの[ファイル]タブを開き、
左ペインの[オプション]をクリックします。
すると、[Excelのオプション]ダイアログが開くので、
左ペインで[リボンのユーザー設定]を選択します。
左右に2つのリストが表示されるので、
その右側のリストにある[開発]の前にあるチェックを「オン」にして、
[OK]ボタンでダイアログを閉じる。
[開発]タブを表示する(1)
デフォルトでは[開発]タブが表示されておらず、
マクロを使うことができません。
[開発]タブを表示するには、まず[ファイル]タブを開く。
[開発]タブを表示する(2)
[ファイル]タブを開き、左ペインで[オプション]を選択する。
[開発]タブを表示する(3)
[Excelのオプション]ダイアログの[リボンのユーザー設定]で、
「開発」にチェックを入れて、[開発]タブを表示させる。
これはExcel自体の設定変更なので、
以後、[開発]タブは常に表示されるようになります。
同じ手順で[開発]のチェックを外せば、
[開発]タブは表示されなくなります。
[開発]タブを表示する(3)
Excelのリボンに[開発]タブが表示されます。
これでExcelのリボンに[開発]タブが表示されています。
なお、これは、Excel自体の設定となるため、
今後、他のブックを開いても
[開発]タブは表示されたままになります。
他人のPCを一時的に操作するような場合、
[開発]タブを「オン」にしたら、終了時に元に戻しておきましょう。
標準で「オフ」になっているように、
マクロを利用しない人にとっては、[開発]タブは不要だし、
マクロを誤って実行してしまったり、間違って操作したりすると、
見たこともないウィンドウが表示されるなど混乱が生じます。
[開発]タブを非表示に戻す手順は、
同じで、チェックを「オフ」にするだけです。
[開発]タブでまず覚えるべき2つのアイコン
[開発]タブには、多くのアイコンが並んでいますが、
取りあえず使うのは、左側のものだけです。
初めてマクロに触れるような場合なら、
必要なのは左側にある「コード」部分の
[Visual Basic]と[マクロ]のアイコンに限られます。
[開発]タブでよく使うのは左側の2つのアイコン
[開発]タブには、さまざまなボタンが並びますが、
最初の段階で利用するのは左端の2つだけです。
[Visual Basic]アイコンは、マクロ(
VBAプログラム)を入力したり、
編集したりする場合に使う。
このボタンを押すと、「Visual Basic Editor(VBE)」ウィンドウが開く。
「Visual Basic Editor(VBE)」ウィンドウの構成
VBEは、マクロを入力/編集/デバッグするときに利用します。
ウィンドウは大きく3つに分かれていて、
左側がマクロの編集対象を指定するための
「プロジェクトエクスプローラー」、その下が
「プロパティウィンドウ」、右側がエディタとなり
「コードウィンドウ」です。
[マクロ]アイコンは、マクロを実行したり、
デバッグしたりする場合に利用します。
クリックすると[マクロ]ダイアログが開きます。
[マクロ]ダイアログの構成
[マクロ]ダイアログは、マクロの「実行」
「デバッグ」の開始が指示できます。
また、「編集」や「作成」の指示が行えますが、
作業はVBE側で行います。
なおExcelは、ユーザーの行った操作をマクロとして記録し、
後から再実行したり、編集したりする
機能を持ちますが、ここでは紹介しません。
マクロを作成、実行して保存
マクロを作るには、[Visual Basic]アイコンを
クリックしてVBEを開きます。
ウィンドウの左側は、現在開いているブックなどの
オブジェクトを表し、右側にプログラム(マクロ)を入力する。
もちろん、マクロは
VBAの文法に沿ったものを入力する必要があります。
ここでは、マクロを
作成」「実行」「保存」する手順だけを紹介します。
新規にマクロを作る場合、[マクロ]ダイアログから始める方法と、
VBEから始める方法の2つがあり。
手順としては前者の方が簡単で初心者向きです。
ただし、マクロ作成のたびに、その管理単位である
「標準モジュール」が増えていって混乱を招きやすい。
最初のうちは[マクロ]ダイアログから作成しても構わないですが、
慣れたら、後者の手順でVBEを直接起動して
マクロ作成を開始するようにしよう。
[マクロ]ダイアログからマクロ作成を始める
[開発]タブで[マクロ]ボタンをクリックすると、
[マクロ]ダイアログが現れ。
その[マクロ名]に、作成したいマクロの名前を入れ、
[作成]ボタンを押すとVBEが起動します。
例えば、マクロ名として「shioda_test」と入力し、
[作成]ボタンを押せば、VBEのコードウィンドウには
同名のサブルーチンが作成された状態となり。
ただし、作られるのは
サブルーチンの枠だけで、中身は何もないです。
[マクロ]ダイアログからマクロを作成する(1)
[マクロ]ダイアログからマクロ
「マクロ名」欄に作成したいマクロの名前に入力し、
作成ボタンを押します。
[マクロ]ダイアログからマクロを作成する(2)
VBEが起動し、VBE側に自動的に標準モジュールが作られ、
入力した名前のマクロ(サブルーチン)の
枠だけが入力された状態となります。
[マクロ]ダイアログからマクロを作成する(3)
サブルーチンの枠内にマクロの本体を入力します。
VBEからマクロ作成を始める
VBEからマクロ作成を行う場合には、VBEを起動後、
[挿入]メニューの[標準モジュール]を選択します。
ブックを表すツリーの下に[標準モジュール]が作られ、
その下に「Module1」が置かれます。
VBEでは、左側のツリー内のオブジェクトを
ダブルクリックで選択すると、右側の領域は、
そのオブジェクトのマクロ編集状態となります。
VBEからマクロを作成する(1)
VBE側でマクロを作成する場合、
VBEを起動して[挿入]-[標準モジュール]を選択して、
標準モジュールをプロジェクト(ブック)に挿入します。
VBEからマクロを作成する(2)
プロジェクトに「Module1」が作成され。
コードウィンドウには何も入力されていない状態です。
VBEからマクロを作成する(3)
コードウィンドウでマクロを入力する。
マクロは標準モジュールに記述するのが基本
マクロは、特定のブックやシートに
関連するものとしても作成でき。一方、標準モジュールに置くことで、
ブック全体で共通して利用することも可能。
まずは、標準モジュールの「Module1」にマクロを置くため、
ここを編集状態とし。
なお、[挿入]メニューから「標準モジュール」を選択した直後は、
作成された「Module1」が自動的に選択状態になっています。
慣れないうちは、ブックやシートに
マクロを書いてしまうことがあります。
[コード]ウィンドウにマクロを入力する前に
プロジェクトエクスプローラーで
正しいものを選んでいるか確認します。
マクロを記述する
この時点では、まだ何も作っていないので、
「Module1」は空白のままか、
あるいは中身のないサブルーチン
(プログラムの中でよく利用する作業などを1つにまとめたもの)が
記述されているだけです。
ここにサブルーチンや関数の実体を書き込んでいく。
記述から保存までを実際に試してみるなら、
右側の領域に以下のテキストを入力する。
非常に簡単ではあるがこれがマクロ(
VBAのプログラム)です。
Sub shioda_test() MsgBox ("Hello World")
End Sub |
サブルーチンのサンプル
このマクロには「shioda_test」という名前がついてます。
それは1行目に記述されている。
2行目はメッセージボックスを表示するMsgBox関数。
3行目はサブルーチンがここで終わることを示すもので、
1行目の「Sub」と対になっています。
作成したマクロを実行する
このマクロを実行するには、Excelの[開発]タブにある
[マクロ]ボタンを使う(VBEは閉じてしまっても構いません)。
[マクロ]ダイアログが表示され、現在実行可能なマクロの一覧が
「マクロ名」に並ぶ。
ここでは、もちろん、先ほど入力したマクロ
(「shioda_test」)が表示されています。
これをリストから選択して「実行」ボタンを押せば、
マクロが実行され、「Hello World」と
書かれたメッセージボックスが表示されます。
作成したマクロを実行する(1)
マクロを実行するには、[マクロ]ダイアログを開き、
リストからマクロを選択して、[実行]ボタンを押します。
VBEからも実行は可能、マクロの多くは、ワークシートや
セルに対して動作するため、
Excelのウィンドウを選択した状態で
実行しなければエラーになることがある。
そのため[マクロ]ダイアログを使って起動する方がよい。
作成したマクロを実行する(2)
マクロが実行される。この場合は、
「Hello World」と書かれたメッセージボックスが表示されます。
マクロを保存する方法
最後に、マクロを保存する方法を紹介します。
マクロは、ブックの中に記録されるため、
ブックごと保存しなければならない。
しかし、マクロを含むブックは、
「マクロ有効ブック」という形式でしか保存できず、
通常のブック形式では、マクロを含めて保存できません。
なお、VBEにも[保存]ボタンがありますが、
Excel側で保存しても、VBE側で保存しても結果的には、
ブックの保存なので同じ動作となります。
Excelの[ファイル]タブからブックを保存する。
このとき、ファイル形式から[マクロ有効ブック]を選択します。
この場合、拡張子は「.xlsm」になり。
その他に関しては、通常のブック保存と変わりないです。
マクロを保存する(1)
マクロは、ブックの中に記録されるため、
保存はブックの保存で行います。
通常のブックの保存と同様、[ファイル]タブで
[名前を付けて保存]を選択します。
マクロを保存する(2)
ブックを保存する際、保存形式として
[Excelマクロ有効ブック]を選択しないと、
ブック内にマクロを保存することができません。
マクロを入力したブックをマクロ有効ブック以外の
形式で保存しようとすると、警告が表示されます。
これは、「このまま保存するとマクロがブックに含まれない」という
意味であり、ブックにマクロがあることも示します。
マクロを含むExcelブックの保存時に
表示されることがある警告メッセージ
マクロがあるブックを通常のExcelブック形式で
保存しようとすると、メッセージボックスが表示され、
マクロが保存されないことを通知します。
Excelでの作業時間が多いようなら、
マクロについて学んでおくと省力化が可能になり。
ただし、インターネットなどから中身の分からない
マクロを含むExcelブックなどを
ダウンロードして動かすなどは、危険な行為といえます。
自分で作ったものか、プログラムソースが
理解できるものに限定すべきでしょう。
省力化という目的から外れてしまうことがあります。
もちろん、本人が好きならそれでいいのですが、
まずは多少の距離感を持って
付き合う方がいいと思います。
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