主にWindows・ソフトウェア・スマートフォン関連の操作・設定を掲載してます、不定期の更新ですが是非、感想、コメント、評価をお願いします。 ブロとも・相互リンク募集中





自動化への一歩 マクロ(VBA)を使えるようにする

Excelには、マクロ機能があり、上手に使うことで自動処理が行えます。
しかし、デフォルトではマクロを使うための
[開発]タブが表示されておらず、マクロの作成や実行が行えません。
そこで、[開発]タブを表示させ、マクロの作成と実行が行えるようにしよう。

wi-exceldevtab00.png
Excelマクロは便利ですが……
Excelでは、マクロを使うことでさまざまな自動化が行え。
しかし、デフォルトではマクロの実行などに
必要な[開発]タブが非表示となっており使うことができない。


「Microsoft Excel(エクセル)」では、マクロを使うことで、
機能を拡張したり、自動処理が行えたり、新たにワークシートで使える
関数などを作ることができるようになったり。
基本的にはプログラミングの素養が必要となるが、
マクロを使うことでExcelの世界が広がります。

セキュリティ的な問題からExcelは、標準状態で
[開発]タブが「オフ(非表示)」になっている。
これは、指示を受けて意味も分からず
マクロを動かしてしまうような操作を避けるためです。
[開発]タブの表示状態は、マクロ起動の可否を決めているのではなく、
単にマクロ関連機能にユーザーが
アクセスできるかどうかを決めているにすぎません。

マクロはかつてOfficeの文書ファイルとともにメールで送られ、
「悪意のあるプログラム」を実行させる手段としても使われ。
しかし、現在では、マクロの入った文書ファイルは別の拡張子を使い、
読み込む前に警告が表示されるなど対策が取られています。

マクロが何であるかを理解して利用するなら、
自分でマクロを使うこと自体がExcelのセキュリティを低下させ、
「悪意のあるプログラム」を動かしてしまうことにはならない。

日常的にExcelを使うなら、マクロを利用できるようにして、
新しい世界の扉を開くのも悪くないです。
マクロの利用に必要になる[開発]タブを表示させ、
マクロの入力/実行/保存を簡単に紹介します。
ただし、マクロのプログラミングに関しては解説しないので、
各自で学習して下さい。


マクロの扉を開ける

まずはExcelのマクロ開発に必要な[開発]タブを表示させ。
開発タブには、マクロの入力や編集、
実行に必要な全ての機能が入っています。

Excelで新規のブックを開き、Excelの[ファイル]タブを開き、
左ペインの[オプション]をクリックします。

すると、[Excelのオプション]ダイアログが開くので、
左ペインで[リボンのユーザー設定]を選択します。
左右に2つのリストが表示されるので、
その右側のリストにある[開発]の前にあるチェックを「オン」にして、
[OK]ボタンでダイアログを閉じる。

wi-exceldevtab01.png
[開発]タブを表示する(1)
デフォルトでは[開発]タブが表示されておらず、
マクロを使うことができません。
[開発]タブを表示するには、まず[ファイル]タブを開く。


wi-exceldevtab02.png
[開発]タブを表示する(2)
[ファイル]タブを開き、左ペインで[オプション]を選択する。


wi-exceldevtab03.png
[開発]タブを表示する(3)
[Excelのオプション]ダイアログの[リボンのユーザー設定]で、
「開発」にチェックを入れて、[開発]タブを表示させる。
これはExcel自体の設定変更なので、
以後、[開発]タブは常に表示されるようになります。
同じ手順で[開発]のチェックを外せば、
[開発]タブは表示されなくなります。


wi-exceldevtab04.png
[開発]タブを表示する(3)
Excelのリボンに[開発]タブが表示されます。


これでExcelのリボンに[開発]タブが表示されています。
なお、これは、Excel自体の設定となるため、
今後、他のブックを開いても
[開発]タブは表示されたままになります。
他人のPCを一時的に操作するような場合、
[開発]タブを「オン」にしたら、終了時に元に戻しておきましょう。
標準で「オフ」になっているように、
マクロを利用しない人にとっては、[開発]タブは不要だし、
マクロを誤って実行してしまったり、間違って操作したりすると、
見たこともないウィンドウが表示されるなど混乱が生じます。
[開発]タブを非表示に戻す手順は、
同じで、チェックを「オフ」にするだけです。


[開発]タブでまず覚えるべき2つのアイコン

[開発]タブには、多くのアイコンが並んでいますが、
取りあえず使うのは、左側のものだけです。
初めてマクロに触れるような場合なら、
必要なのは左側にある「コード」部分の
[Visual Basic]と[マクロ]のアイコンに限られます。

wi-exceldevtab05.png
[開発]タブでよく使うのは左側の2つのアイコン
[開発]タブには、さまざまなボタンが並びますが、
最初の段階で利用するのは左端の2つだけです。


[Visual Basic]アイコンは、マクロ(VBAプログラム)を入力したり、
編集したりする場合に使う。
このボタンを押すと、「Visual Basic Editor(VBE)」ウィンドウが開く。

wi-exceldevtab06.png
「Visual Basic Editor(VBE)」ウィンドウの構成
VBEは、マクロを入力/編集/デバッグするときに利用します。
ウィンドウは大きく3つに分かれていて、
左側がマクロの編集対象を指定するための
「プロジェクトエクスプローラー」、その下が
「プロパティウィンドウ」、右側がエディタとなり
「コードウィンドウ」です。


[マクロ]アイコンは、マクロを実行したり、
デバッグしたりする場合に利用します。
クリックすると[マクロ]ダイアログが開きます。

wi-exceldevtab07.png
[マクロ]ダイアログの構成
[マクロ]ダイアログは、マクロの「実行」
「デバッグ」の開始が指示できます。
また、「編集」や「作成」の指示が行えますが、
作業はVBE側で行います。


なおExcelは、ユーザーの行った操作をマクロとして記録し、
後から再実行したり、編集したりする
機能を持ちますが、ここでは紹介しません。



マクロを作成、実行して保存

マクロを作るには、[Visual Basic]アイコンを
クリックしてVBEを開きます。
ウィンドウの左側は、現在開いているブックなどの
オブジェクトを表し、右側にプログラム(マクロ)を入力する。
もちろん、マクロはVBAの文法に沿ったものを入力する必要があります。
ここでは、マクロを
作成」「実行」「保存」する手順だけを紹介します。

新規にマクロを作る場合、[マクロ]ダイアログから始める方法と、
VBEから始める方法の2つがあり。
手順としては前者の方が簡単で初心者向きです。
ただし、マクロ作成のたびに、その管理単位である
「標準モジュール」が増えていって混乱を招きやすい。
最初のうちは[マクロ]ダイアログから作成しても構わないですが、
慣れたら、後者の手順でVBEを直接起動して
マクロ作成を開始するようにしよう。


[マクロ]ダイアログからマクロ作成を始める

[開発]タブで[マクロ]ボタンをクリックすると、
[マクロ]ダイアログが現れ。
その[マクロ名]に、作成したいマクロの名前を入れ、
[作成]ボタンを押すとVBEが起動します。

例えば、マクロ名として「shioda_test」と入力し、
[作成]ボタンを押せば、VBEのコードウィンドウには
同名のサブルーチンが作成された状態となり。
ただし、作られるのは
サブルーチンの枠だけで、中身は何もないです。

wi-exceldevtab08.png
[マクロ]ダイアログからマクロを作成する(1)
[マクロ]ダイアログからマクロ
VBAサブルーチン)を作成するには、
「マクロ名」欄に作成したいマクロの名前に入力し、
作成ボタンを押します。


wi-exceldevtab09.png
[マクロ]ダイアログからマクロを作成する(2)
VBEが起動し、VBE側に自動的に標準モジュールが作られ、
入力した名前のマクロ(サブルーチン)の
枠だけが入力された状態となります。


wi-exceldevtab10.png
[マクロ]ダイアログからマクロを作成する(3)
サブルーチンの枠内にマクロの本体を入力します。


VBEからマクロ作成を始める

VBEからマクロ作成を行う場合には、VBEを起動後、
[挿入]メニューの[標準モジュール]を選択します。
ブックを表すツリーの下に[標準モジュール]が作られ、
その下に「Module1」が置かれます。
VBEでは、左側のツリー内のオブジェクトを
ダブルクリックで選択すると、右側の領域は、
そのオブジェクトのマクロ編集状態となります。

wi-exceldevtab11.png
VBEからマクロを作成する(1)
VBE側でマクロを作成する場合、
VBEを起動して[挿入]-[標準モジュール]を選択して、
標準モジュールをプロジェクト(ブック)に挿入します。


wi-exceldevtab12.png
VBEからマクロを作成する(2)
プロジェクトに「Module1」が作成され。
コードウィンドウには何も入力されていない状態です。


wi-exceldevtab13.png
VBEからマクロを作成する(3)
コードウィンドウでマクロを入力する。


マクロは標準モジュールに記述するのが基本

マクロは、特定のブックやシートに
関連するものとしても作成でき。一方、標準モジュールに置くことで、
ブック全体で共通して利用することも可能。
まずは、標準モジュールの「Module1」にマクロを置くため、
ここを編集状態とし。
なお、[挿入]メニューから「標準モジュール」を選択した直後は、
作成された「Module1」が自動的に選択状態になっています。

慣れないうちは、ブックやシートに
マクロを書いてしまうことがあります。
[コード]ウィンドウにマクロを入力する前に
プロジェクトエクスプローラーで
正しいものを選んでいるか確認します。


マクロを記述する

この時点では、まだ何も作っていないので、
「Module1」は空白のままか、
あるいは中身のないサブルーチン
(プログラムの中でよく利用する作業などを1つにまとめたもの)が
記述されているだけです。
ここにサブルーチンや関数の実体を書き込んでいく。

記述から保存までを実際に試してみるなら、
右側の領域に以下のテキストを入力する。
非常に簡単ではあるがこれがマクロ(VBAのプログラム)です。

Sub shioda_test()
  MsgBox ("Hello World")
End Sub
サブルーチンのサンプル

このマクロには「shioda_test」という名前がついてます。
それは1行目に記述されている。
2行目はメッセージボックスを表示するMsgBox関数。
3行目はサブルーチンがここで終わることを示すもので、
1行目の「Sub」と対になっています。


作成したマクロを実行する

このマクロを実行するには、Excelの[開発]タブにある
[マクロ]ボタンを使う(VBEは閉じてしまっても構いません)。
[マクロ]ダイアログが表示され、現在実行可能なマクロの一覧が
「マクロ名」に並ぶ。
ここでは、もちろん、先ほど入力したマクロ
(「shioda_test」)が表示されています。
これをリストから選択して「実行」ボタンを押せば、
マクロが実行され、「Hello World」と
書かれたメッセージボックスが表示されます。

wi-exceldevtab14.png
作成したマクロを実行する(1)
マクロを実行するには、[マクロ]ダイアログを開き、
リストからマクロを選択して、[実行]ボタンを押します。
VBEからも実行は可能、マクロの多くは、ワークシートや
セルに対して動作するため、
Excelのウィンドウを選択した状態で
実行しなければエラーになることがある。
そのため[マクロ]ダイアログを使って起動する方がよい。


wi-exceldevtab15.png
作成したマクロを実行する(2)
マクロが実行される。この場合は、
「Hello World」と書かれたメッセージボックスが表示されます。


マクロを保存する方法

最後に、マクロを保存する方法を紹介します。
マクロは、ブックの中に記録されるため、
ブックごと保存しなければならない。
しかし、マクロを含むブックは、
「マクロ有効ブック」という形式でしか保存できず、
通常のブック形式では、マクロを含めて保存できません。
なお、VBEにも[保存]ボタンがありますが、
Excel側で保存しても、VBE側で保存しても結果的には、
ブックの保存なので同じ動作となります。

Excelの[ファイル]タブからブックを保存する。
このとき、ファイル形式から[マクロ有効ブック]を選択します。
この場合、拡張子は「.xlsm」になり。
その他に関しては、通常のブック保存と変わりないです。

wi-exceldevtab16.png
マクロを保存する(1)
マクロは、ブックの中に記録されるため、
保存はブックの保存で行います。
通常のブックの保存と同様、[ファイル]タブで
[名前を付けて保存]を選択します。


wi-exceldevtab17.png
マクロを保存する(2)
ブックを保存する際、保存形式として
[Excelマクロ有効ブック]を選択しないと、
ブック内にマクロを保存することができません。


マクロを入力したブックをマクロ有効ブック以外の
形式で保存しようとすると、警告が表示されます。
これは、「このまま保存するとマクロがブックに含まれない」という
意味であり、ブックにマクロがあることも示します。

wi-exceldevtab18.png
マクロを含むExcelブックの保存時に
表示されることがある警告メッセージ
マクロがあるブックを通常のExcelブック形式で
保存しようとすると、メッセージボックスが表示され、
マクロが保存されないことを通知します。


Excelでの作業時間が多いようなら、
マクロについて学んでおくと省力化が可能になり。
ただし、インターネットなどから中身の分からない
マクロを含むExcelブックなどを
ダウンロードして動かすなどは、危険な行為といえます。
自分で作ったものか、プログラムソースが
理解できるものに限定すべきでしょう。

時々、マクロのために長時間プログラミングした結果、
省力化という目的から外れてしまうことがあります。
もちろん、本人が好きならそれでいいのですが、
まずは多少の距離感を持って
付き合う方がいいと思います。







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    発生する「循環参照」とその対策

    Excelでセルに何らかの数式を設定していると、
    循環参照」というメッセージが
    表示されることがあります。
    この「循環参照」とは何なのか対策と解消方法を紹介します。

    wi-excelcircularref01.png
    意外と簡単に起きる「循環参照
    多くのExcel関係の文書や記事には、
    循環参照エラー」と表記されることが多い。
    しかし循環参照はエラーではなく、
    れっきとしたExcelの計算方法の1つです。
    現在では使う意味が薄れてきており、間違いの元になりやすいため、
    循環参照が起こるとメッセージを表示するようになっています。


    SUM関数の引数に自分自身のセルを含むと
    「循環参照」というメッセージが表示される。
    この「循環参照」は、「Microsoft Excel(エクセル)」で
    比較的よく見かけるメッセージの1つ。
    簡単な式であっても、セル範囲指定を間違うなどすると、
    表示されてしまうからです。
    自由にセル範囲を指定できるExcelの数式では、
    循環参照が発生することを防ぐことはできません。

    循環参照は、「エラー」ではない。
    もともと循環参照は、Excelで関数などから構成される
    数式では計算できない「繰り返し」計算を行うために
    利用されてきた方法だからです。
    例えば、1から100までの和を求める場合、
    反復回数を100回と設定しておき、セル「A2」に「=A1+A2」という
    数式を入れ、セル「A1」に「=A1+1」という数式を入力すると、
    セル「A2」に計算結果の「5050」が表示されます。

    Excelの関数は初期の頃に比べると充実し、
    VBAを使って繰り返し計算を行う関数を定義する
    ことも可能になったため、
    現在では循環参照を使う意味は薄れています。

    過去に作られたExcelのシートや数式の互換性のため、
    循環参照を完全に禁止することはできず、
    現状では、循環参照に対する設定(後述)と、
    発生時にメッセージを表示するという妥協点に落ち着いています。
    新規作成時には、メッセージで循環参照の対応を促し、
    過去に作成された循環参照による繰り返し計算は、
    設定で有効にしておくことができます。

    循環参照が発生しても、常にメッセージが表示されるとは限らない。
    シート内に既に循環参照があった場合、
    これをコピーしたときなど、循環参照が発生したことを示す
    メッセージが出ないことがある。
    今回は、こうした循環参照への対応方法を紹介します。


    循環参照とは

    循環参照は、簡単にいうと、数式で自分が書き込まれている
    セルを参照することで発生します。
    例えば、セル「B3」に「=SUM(B1:B3)」のような
    自分自身を参照するような数式があれば、
    循環参照が発生します。

    wi-excelcircularref02.png
    「循環参照」とは
    数式で自分が書き込まれているセルを参照すると「循環参照」となる。
    画面では、SUM関数で自身を含むセルが参照されて。
    循環参照が発生すると、このようにメッセージが表示されます。


    循環参照が起こったセルの再計算は停止し、
    セルの値は「0(ゼロ)」になることがほとんど。
    多くの場合、これで数式に問題があることに気が付く。
    しかし循環参照は、他のセルからの参照で発生することもあり、
    必ずしも結果が「0」になるとは限らず、
    循環参照が発生する前の値が残ることがあります。こ
    のため一見ちゃんと計算が行われているように見えることがあります。


    「反復計算を行う」を有効にすると循環参照のメッセージが表示されない

    意図的に循環参照を使って繰り返し計算を行うことも可能。
    [ファイル]タブの[オプション]を選択して、
    [Excelのオプション]ダイアログを表示し、
    左ペインで[数式]を選び、右ペインの「計算方法の設定」欄にある
    「反復計算を行う」を「オン」にして、
    「最大反復回数」を設定することで、
    Excelは循環参照を使う繰り返し計算が行えるようになります。
    この設定を行うと、循環参照が発生したことを示す
    メッセージは表示されなくなるので注意して下さい。

    wi-excelcircularref09.png
    反復計算を有効にする(1)
    [ファイル]タブを開き、[オプション]を選択する。


    wi-excelcircularref10.png
    反復計算を有効にする(2)
    [Excelのオプション]ダイアログの左ペインで[数式]を選択し、
    右ペインの「反復計算を行う」にチェックを入れて、
    「最大反復回数」で、計算の繰り返し回数を指定します。
    ここをチェックすると、循環参照のメッセージが
    表示されなくなるので注意して下さい。



    一部の関数は自分を含むセルを参照しても循環参照にならない

    一部の関数に関しては、自分を含むセル参照を引数にしても、
    循環参照にならないものがある。
    循環参照は、式の結果である「値」を参照しているときのみ発生する。
    例えば、セルの数式を参照する「FORMULATEXT」関数です。

    この関数は、数式そのものをテキストとして
    返すものであるため、循環参照にならない。
    具体的には、2つのセルがあり、セル「B2」に「FORMULATEXT」関数
    (数式を文字列として返す関数)を使い、
    セル「B3」の数式を文字列として、
    その文字列の長さを「LEN」関数で求めている。
    セル「B3」は、「SUM」関数でセル「B2」の値を合計しています。

    wi-excelcircularref03.png
    循環参照にならない関数(1)
    循環参照を行っても「循環参照」として認識されない関数もある。
    例えば、「FORMULATEXT」関数は、指定したセルの数式を
    文字列として返すものであるため、循環参照にならない。


    このようにセル「B2」は、セル「B3」を参照していますが、
    「FORMULATEXT」関数を使っているため、循環参照にならない。
    しかし、セル「B2」を書き換えて「FORMULATEXT」関数を外すと
    循環参照が発生する。
    こうした循環参照にならない関数には、
    「ISFOMULA」関数(セルが数式かどうか)、
    「ROW」関数(セルの行番号を返す)、
    「COLUMN」関数(セルの列番号を返す)などがあります。

    wi-excelcircularref04.png
    循環参照にならない関数(2)
    「FORMULATEXT」関数を外してしまうと、循環参照になってしまう。


    循環参照が発生した場合の表示

    ブック内で循環参照が発生すると、デフォルトで
    Excelウィンドウ下部にあるステータスバーに
    循環参照が発生していることを示す
    メッセージが表示されるようになっています。

    入力時に循環参照が発生しましたが、
    後で直すつもりでメッセージボックスを閉じても、
    ここに表示が出ているため循環参照が
    存在していることが常に把握でき。
    なお、この表示は、ステータスバーの設定では、
    「オフ」にすることはできません。

    wi-excelcircularref05.png
    ステータスバーに「循環参照」が表示される(1)
    循環参照が起こると、ステータスバーに
    「循環参照」と表示されます。
    このとき、表示中のシートに循環参照がある場合、
    そのセルアドレスが表示されます。


    wi-excelcircularref06.png
    ステータスバーに「循環参照」が表示される(2)
    循環参照が起こるとステータスバーに「循環参照」と表示され。
    表示中のシートに循環参照がないと
    セルアドレスが表示されません。


    ステータスバーに「循環参照」と表示されているとき、
    その右側にセルアドレスが表示されることがあり。
    これは、アクティブになっているExcelウィンドウで
    開いているシートに循環参照が起こっていることを示します。

    開いている複数のブックのうち、
    現在アクティブなウィンドウに表示されていない
    ブックやシートに循環参照が発生している場合は
    セルアドレスが表示されません。


    循環参照で間違ったセルアドレスが表示されることもある

    このステータスバーの表示は、基本的には正しいが
    他のシートで循環参照が発生しているとき、
    表示中のシートに循環参照にならない関数などが使われていると、
    ここに間違ったセルアドレスが表示されることがあり。
    この不具合は、かなり昔からあるもので、
    最新のMicrosoft 365版Excelでも発生します。

    wi-excelcircularref07.png
    循環参照ではないのにステータスバーに
    「循環参照」と表示されるケース(1)
    循環参照が含まれるブックで、「FORMULATEXT」関数のような
    循環参照にならない関数を別のシートで使うと、
    ステータスバーの循環参照のセルアドレスが
    間違って表示されることがあります。


    wi-excelcircularref08.png
    循環参照ではないのにステータスバーに
    「循環参照」と表示されるケース(2)
    別のシート(Sheet2)で循環参照が発生しています。
    この表示の影響で、前画面の
    「循環参照」の誤表示が行われるようです。



    循環参照のセルに矢印が表示されるとき

    Excelのバージョンによっては、循環参照が発生したとき、
    セルに矢印が表示されることがあります。
    これは、「トレース矢印」と呼ばれ、
    数式の参照関係を示すものです。
    Excelでは条件により、自動的に表示されることがありますが、
    必ずしも全ての循環参照に表示されるわけではないです。

    トレース矢印は、[数式]タブにある「
    ワークシート分析」グループの[トレース矢印の削除]
    コマンドで消すことが可能です。
    なお、循環参照で自動的に表示されたトレース矢印は、
    循環参照が解消されると自動的に消えます。


    循環参照の発見方法

    循環参照を解決する確実な方法は、[数式]タブにある
    「ワークシート分析」グループの
    [エラーチェック]-[循環参照]を使って、
    循環参照が発生しているセルを確認する方法です。
    この方法では、確実に循環参照が
    発生しているセルを確実に選択できます。

    複数箇所で循環参照が発生している場合、
    1カ所を解決した後、ここに次の循環参照の位置が表示され。
    つまりエラーチェックで発生位置を特定し、
    数式などの書き換えを行い、ステータスバーから循環参照の
    表示が消えるまで作業を繰り返す必要があります。

    wi-excelcircularref11.png
    循環参照が発生しているセルを確実に確認する
    循環参照を確実に修正するには、
    [数式]タブにある[エラーチェック]を使う。
    ここにある[循環参照]には、循環参照が発生している
    セルアドレスが表示され、クリックで
    該当のセルを確認、選択が行えます。
    循環参照があるブックが開いていれば、
    他のブックウィンドウからでも利用できます。


    同時に複数のセルが表示されることがあり。
    これらは、1つの循環参照に関連する複数のセルを表す。
    ここに表示されているセルのうち1つの数式を見ても、
    循環参照しているように見えない場合、
    別のセルを調べてみる必要があります。

    そのようなときには、数式の参照先や参照元のセルへ
    移動できるショートカットキーが役に立ちます。
    現在のセルに入力されている数式が参照しているセルには、
    [Ctrl]+[[]キーで、逆に現在のセルを参照している
    数式を持つセルには[Ctrl]+[]]キーでそれぞれ移動できます。

    循環参照の解消を繰り返し、ステータスバーの
    「循環参照」の表示が消えれば、開いているブック内には、
    循環参照がなくなった状態です。
    このとき、[エラーチェック]-[循環参照]は
    グレーアウトした状態に戻ります。

    循環参照は、かつて1つの計算方法であったため、
    エラーと表示されるものの、数式エラーなどと違い、
    セル表示が変わらないなど、存在が許容されています。
    また、入力時にはメッセージボックスによる警告だけなので、
    無意識に[OK]ボタンをクリックしてしまい、
    後から循環参照に気が付くこともあり。
    こうした循環参照の解消には、
    [数式]タブにある[エラーチェック]が確実な方法です。







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